新しいプレハーベストアプローチ: 収穫量と収入の向上を支援
ジャン・ディディエは、下ジブア州地域に住む39歳のコートジボワール人のカカオ農家で、結婚して3人の子どもがいます。代々のカカオ農家出身で、2011年に2.5ヘクタールの農場を始めました。
ココアホライズンプログラムの一環として、ジャン・ディディエは適正農業規範に関するトレーニングを受け、「農園ビジネスプラン」などの農園サービスを利用できるようになりました。具体的には、コーチとともに農園診断を行い、収穫量と収入を増やすための提案を盛り込んだ複数年計画を策定しました。カカオ農園の生産性向上は、重要なテーマです。農園ビジネスプランは、生産者とそのコミュニティの生活を向上させるためのプロセスの基盤となるものです。
昨年から、私たちの農園サービスモデルは革新的なプレハーベストのアプローチを導入することで、さらに充実しました。生産工程を観測したところ、生産者がポストハーベストにかける時間は70%、プレハーベストにはわずか30%だったという結果から、この取り組みは始まりました。プレハーベストへの投資、特に剪定と土壌投入は、カカオの収穫量と収入を向上させるために不可欠です。生産者にとって、プレハーベスト作業や土壌投入にかかる金銭的コストを負担することは、依然として課題となっています。そこで今年から、プログラムの資金を通じ、プロの労働チームや土壌投入の補助金で生産者を支援しています。
11,500人の生産者へ広める
コーチングにより、ジャン・ディディエのような生産者が剪定の重要性と技術を学ぶことができます。剪定は、木の周りや中の空気の循環を良くする、害虫や病気の発生リスクを減らす、収穫しやすいように木の形を整える、葉と実の間のエネルギー効率のバランスをとる、キャノピーを通して多くの日光を取り込んで生産性を高めるために欠かせないものです。
労働チームが来る以前は、私は畑の剪定をしていませんでした。実家も農家で、ずっと農業をやっていましたが、誰からも剪定の大切さを教わったことがなく、やったことがなかったのです。でも、コーチから初めて剪定について教えてもらいました。労働チームの協力もあり、すぐに実行に移しましたが、もう効果を実感しています。
コートジボワールとガーナでは、昨年からすでに5,800人もの生産者がこのアプローチのメリットを享受しています。今年は11,500人の生産者にこのアプローチを広めることを目標としています。
お金ができたら、やりたいことがたくさんあります。家族のためにきれいな家を建てたいし、子どもたちをもっといい学校に入れたい、そしていつも畑仕事を手伝ってくれる妻にもお金を渡したいです。
ココアホライズン財団
バリーカレボーが設立したココアホライズン財団は、スイスを拠点とするNPOで、プレミアムとその分配法について高い透明性を有し、第三者検証を受けています。自然や子どもたちを守る自立したコミュニティを作ることで、カカオ生産者の繁栄を促進することを目標とした、生産地への影響を重視するプログラムです。当財団は「持続可能な開発目標」(https://www.un.org/sustainabledevelopment)*を支援しています。
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